#9 小山田壮平「アルティッチョの夜」の歌詞と歌声に込められた力強さ

音楽紹介

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今回は、小山田壮平「アルティッチョの夜」の魅力を、歌詞と歌声に込められた力強さと小山田さん自身の想いや葛藤という部分に触れながら紹介していきます!ぜひ最後までご覧ください。

楽曲紹介

「アルティッチョの夜」は、小山田壮平さんの2022年リリースのシングル『スライディングギター/アルティッチョの夜』であり、2024年リリースのアルバム『時をかけるメロディー』にも収録されています。

小山田壮平さんは、andymoriというバンドで2007〜2014年までVo.Gt.として活動しており、解散後andymoriのメンバーを含むALというバンドで活動しながら、ソロ活動も行っており、この楽曲は小山田さんソロでの楽曲になります。

andymoriは「すごい速さ」や「革命」「1984」など有名な楽曲も多く、活動当時は多数のフェスなどにも出演し、現在でも知っている方は多いと思います。しかし、ソロ活動での楽曲もバンド時代の音楽的特徴を継承しながらも、新たな要素が加わった楽曲が多いです。

andymoriはグルーヴや駆け抜けるようなギターロック、という印象が強かったですが、ソロの楽曲は音色が増え、世界観が増した印象があります。実際、ソロのライブでも基本は四人体制ですし、「マジカルダンサー」を演奏するときなどはサポート楽器を加えたりと、完全に三人体制であったandymoriに比べれば、規模感も増していると思います。Baは現在でもandymori時代の藤原寛さんが担当しています。

歌詞について

前提として、この楽曲は小山田さんの音楽活動が中心となった生活における体験や感情を表しているというテーマがあります。「アルティッチョ」とは、イタリア語で「ほろ酔い」という意味で、お酒やお酒によっている状態がメインテーマでもあります。

吐いて吐いて ああ
風をよんで ブルに刺して
表面張力 ああ
午前2時の高まり

冒頭は夜中にバーでお酒を飲んでいる様子です。吐いているほどベロ酔い状態ですね、「ブル」はウォッカやテキーラベースのカクテルです。

「表面張力」に関しては、以前に小山田さん自身がライブで、よく行くバーのマスターがテキーラを並々に注ぐことから、それを言っているのだと思います。小山田さん自身度々ライブでもお酒が大好きと言っていますし、ライブの打ち上げやライブの前日でも夜中まで飲んでいるとも言っています、、

きっときっと忘れない
扉が空いたら誰かがやってくる

お酒によって「忘れない」ということでしょうか、バーの扉が空いたら誰かが入ってくるのでしょう、

泣いて泣いて ああ
君もつらいね 俺もつらいよ
表面張力 おおおお
何をしている ロックンロール

「泣いて泣いて」で生活におけるつらいことやストレスを感じていますが、「表面張力 おおおお」で、お酒と一緒につらいことも流して忘れてしまおうということでしょうか。あるいは酒を飲んで明日からまたロックンロールをする自分を奮い立たせているのかもしれません。

ずっとずっと忘れない
調子こいたじゅんやがテキーラ飲みます

ここで、テキーラを並々に注いで飲んで遊んでいる様子が伺えます。

このまま舟を漕いで行きたい
素敵な恋も連れて行きたい
猫も杓子も抱いて行きたい

ここで、ギターソロ部分が終わり、おとなしいリズムになり、ゆったりした歌メロになります。お酒と共にストレスやつらいことを流して忘れて、このまま落ち着いた気分で明日からもやっていきたいという感じでしょうか、

心に ああ
隙ができて愛になった
表面張力 おい…
誰も知らない 夜の気まぐれ

「心に隙ができて」はまさにつらいことを考えていた分の余裕が生まれたということです。つらいことを感じながらも、お酒を飲んで楽しく遊んで忘れる日常が愛おしくなったのでしょう。こうしたバーでの時間が日常の気まぐれ的な立ち位置であり、普段小山田さんの音楽を聴いている人は誰も知らないことです。

きっときっと忘れない
扉が空いたら誰かがやってくる

また同じフレーズが来て、扉が空いてまた誰かが入ってこようとしています。こんなつらいことから逃れられる楽しい夜がまだ終わらない、まだ終わらせたくないという思いがあります。

同時に先ほども出てきた「きっときっと忘れない」は、明日になればまたつらいことが待っているかもしれない、お酒によって明日はもう楽しい今日のことは忘れているかもしれない、でも今夜の楽しい出来事は忘れてほしくないという思いが込められているように感じます。

全体を見てきて、ロックンロールをやる中で感じる日々のストレスやつらいことと、それを忘れられるバーでの夜の時間。でもお酒を飲んだら楽しい出来事も忘れてしまうかもしれないし、明日からはまたつらいことが待っているかもしれないから夜が終わってほしくない、という素直な気持ちが感じられました。

歌い方について

この楽曲は、「表面張力」というワードが3回出てきて、その後の余韻的なフレーズが「ああ」「おおおお」「おい」と3回とも違うのに加えて、「表面張力」のメロディも3回とも異なります。

  • 1回目 「表面張力 ああ」

ここは、ベロベロに酔った状態で並々のテキーラを注がれたので限界で脱力した感じの歌い方になっています。

  • 2回目 「表面張力 おおおお」

ここは、少しお酒も落ち着いてきて、日々のつらいことなどについて思いふける雰囲気があるので、並々のテキーラを見て少し動揺している感じでしょうか。「おおおお」からもその印象を受けます。

  • 3回目 「表面張力 おい」

ここは、落ち着いてつらいことを考えていた分の余裕ができ、純粋に楽しい夜を過ごしているという場面で、1回目に近く、元気が戻って並々のテキーラに少し呆れている様子でしょうか。余韻のフレーズ一つでも、パターンごとにしっかし情景や気持ちの変化がわかるので、面白いです!

ちなみに、「泣いて泣いて ああ」「ロックンロール」の後の叫び声などのフレーズはライブではとても誇張されており、「吐いて吐いて ああ」は、精一杯の息を吐き出すように歌いますし、「ロックンロール」の後の叫び声は、まさにライブ中でロックンロールをやっているわけですから、かなり感情的な叫び声になります。ライブでとても迫力が増す一曲でもありますね!

まとめ

以上、小山田壮平「アルティッチョの夜」の魅力を紹介してきました。

歌い方一つとっても、情景や気持ちの変化がすごく伝わりますし、歌詞も力強くも、気持ちを的確に表現しているフレーズが多いので、想像しながら聴くのはとても楽しいです!小山田壮平さんだけでなくandymoriの楽曲についても今後また触れていきたいと思います!

小山田壮平「アルティッチョの夜」 作詞作曲:小山田壮平

この記事では、楽曲の魅力を、その楽曲の背景やテーマ、音楽的観点など多方面から解釈し、伝えていきますのでまたぜひチェックお願いします!

オリゴトウ

音楽大好き大学生です。
様々なジャンルの音楽の魅力を専門的、感覚的両方で発信しています。
そのほか音楽の最新情報や、楽曲制作についても書きます!

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