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今回は、フジファブリック「銀河」の魅力を、疾走感とボーカルの重なり、そして不思議な雰囲気と転調の魅力に着目して紹介していきます。ぜひ最後までご覧ください!
楽曲紹介
「銀河」は、2005年リリースのフジファブリックの4枚目のシングルです。アルバム『FAB FOX』にも収録されています。
フジファブリックは、現在のバンドにも大きな影響を与えているバンドで、かつてのVoの志村正彦さんが2009年に亡くなってからは、三人体制で活動を続けてきており、2025年より現在は活動休止中になっています。
「銀河」も実際多くのバンドとコラボやカバーが実現しており、2010年にはくるりのVo.岸田繁さん、Ba.佐藤征史さんと、2014年にはASIAN KUNG-FU GENERATIONのVo.後藤正文さんと、コラボ演奏が実現しています。
インストの疾走感と歌メロ
この楽曲でまず印象的なのが、サビまでの疾走感あふれる楽器のフレーズと、対照的な歌メロのフレーズだと思います。歌詞に着目しても、「二人は街を逃げ出した」など、疾走を感じさせるものがあります。
インストに注目すると、ドラムは高速のハイハットでリズムを刻み、ギターはワウとカッティングを多用した細いフレーズで、ベースもランニングとハイポジションのフレーズがあり、かなり疾走感を感じさせる組み合わせとなっています。
一方で、歌詞はというと、16小節でかなり短い歌詞を歌っていて、1文字1文字がかなり長い構成になっています。
真夜中二時過ぎ二人は街を逃げ出した
冒頭のこの歌詞は、16小節かけてこのフレーズを歌います。前半に関しては、1小節1文字のペースでかなり疾走感とは対照的な作りになっていて、このインストとの矛盾から不思議な雰囲気を感じさせます。
ま|よ|な|か|に|じ|す|ぎ|ふ|た|り|は|ま|ち|をに|げだした
小節で分けるとこんな感じですね。かなり歌詞を刻んでいます。
丘から見下ろす二人は白い息を吐いた
お|か|か|ら|み|お|ろ|す|ふ|た|り|は|し|ろ|いい|きをはいた
こちらのフレーズも同じように細かく歌詞を切っていて、前半は1小節あたり1文字でかなりゆったりとした構成です。
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」
「タッタッタッ タラッタラッタッタッ」と飛び出した
この部分は、歌詞は見ての通り走って街を飛び出す様子がはっきりとわかります。キーボードの音も小刻みになり、ベースはランニングで小刻みに移動するフレーズになり少し雰囲気が変わるフレーズかもしれません。ここは特に走って逃げ出している様子を最も情景的に表現している箇所だと思います。
とにかく前半は歌詞にもインストにも現れた逃げ出す疾走感、逃避行を感じながら聴くと自分もいつの間にか走り出したくなってしまうと思います!
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サビ前の転調
この楽曲、ラストサビの前のフレーズでかなり特徴的な転調をします。
確かな鼓動が膨らむ 動き出している!
ここのフレーズの、「鼓動が」の「うが」で半音分転調しています。ラストのサビから転調が始まる曲や、フレーズの切り替わりで転調が行われる曲は多いですが、この楽曲は完全にフレーズの途中、しかもラスサビ前のCメロの2フレーズ目途中という独特な場所で転調がされています。
さらに、同じフレーズの「る!」でもさらに半音上がっています。このようなフレーズの途中に部分にもかかわらず、短いフレーズ内で2度も転調しているのはかなり珍しいと思います。これによってかなり不思議な印象も受けますし、独特さがクセになります。
前半では駆け抜けるようなフレーズでしたが、後半になるにつれて歌詞もメロディも不穏というか、不思議な雰囲気を感じさせるものになっています。
これは、志村さんの愛聴していたブラジル音楽の影響があるようですが、日本の楽曲にはあまり馴染みのない転調のタイミングなので、ぜひ注目して聴いてみてください!
まとめ
以上、フジファブリック「銀河」の魅力を紹介してきました。
前半は疾走感あふれるインストのメロディと歌詞の刻み方の独特さ、後半はあまり馴染みのない特徴的な転調。1曲を通してかなりの魅力が詰まっていますし、不思議な雰囲気を感じられるので、ぜひ一度聴いてみて下さい!
フジファブリック「銀河」 作詞作曲:志村正彦
この記事では、楽曲の魅力を、その楽曲の背景やテーマ、音楽的観点など多方面から解釈し、伝えていきますのでまたぜひチェックお願いします!

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