#4 Mega Shinnosuke「狭い宇宙、広いこの星」の歌詞と構成

音楽紹介

記事を開いていただき、ありがとうございます。管理人のオリゴトウです。

このサイトでは、音楽の専門的知識が少ない方にも、楽曲のより深い魅力をわかりやすく伝え、幅広い音楽を新しく聴くきっかけを作るための記事を投稿しています。

今回は、Mega Shinnosuke「狭い宇宙、広いこの星」の魅力を歌詞と楽曲の構成を中心に紹介し、その音楽的特徴に触れていこうと思います!

楽曲紹介

Mega Shinnosukeさんといえば、2024年にTikTokを中心に大ヒットした「愛とU」の印象が最近では強いのではないでしょうか。

ヒット曲を出した後も、方向性が変わることなく多くのジャンルに及ぶ楽曲を生み出し続け、筆者もライブに足を運ぶほど大好きなアーティストです。

「狭い宇宙、広いこの星」は2019年リリースのEP『HONNE』に収録されている楽曲で、彼の活動の中でも割と初期の楽曲になります。同EPには、人気楽曲の「桃源郷とタクシー」や、ライブで盛り上がる「O.W.A.」なども収録されています。

ライブでは、この楽曲はサビのフレーズをみんなで歌うという一体感が生まれる、盛り上がる一曲でもありますね!

また、Mega Shinnosukeさんの楽曲はコラボ楽曲も非常に多く、最近ではラップグループのchelmicoとコラボした「あの子とダンス」や、崎山蒼志さんとの「海をみにいこう」、少し前ではクボタカイさんとの「兄弟」などがあります。

その中でも、VOCALOIDの初音ミクと一緒に歌う楽曲もあります。「アイシテル人生」は、ライブでも実際に初音ミクの声と一緒に歌い、新鮮な体験をできる一曲となっていますので、他の楽曲もぜひ聴いてみてください!

歌詞の魅力

まずタイトル「狭い宇宙、広いこの星」です。星の方が宇宙より遥かに小さいはずなのに、どういう意味でしょうか?

仮に、「この星」を地球とするならば、「狭い宇宙」にいる「僕」から見て地球はすごく規模の大きい存在ということになります。一旦この前提で歌詞を見ていきましょう。

無理だとわめく少年も僕らも 小さな頃に

きっと宙を泳いでいた 遠い幸せ探すマーメイド

この曲の歌詞には、「少年」「小さな頃」などの言葉が出てきます。つまり、この「少年」は狭い宇宙の中にいるということでしょうか。マーメイドは少年のことでしょう。

とすれば、少年が成長していくにつれて、「広いこの星」に気づいていく、つまりこの世はこんなに広くて、色々なことが起きていて、たくさんの人がいるということに触れていくということでしょうか。

地上の端の楽園を探していた 君はとうに

気づきゃもう満たされちまう 変わることない日々のサテライト

地上の端の楽園とは、まだ成長していないため見られない世界、景色でしょう。ここで、主人公が少年を「君」と呼んでいることが重要です。

サテライトは衛星、つまり変わらない淡々とした日々を俯瞰しているということです。

とにかくこの世界を抜けだそうよ 短時間のフライトでこの異世界を出るよ

「この世界」「この異世界」は「狭い宇宙」だとすれば、そんな淡々とした変化のない日々から抜け出そうよ、もっと広い世界を見ようよ、と促しているようです。

輝くあなた通せんぼ なんてことしてるうちに

銀河の歌歌っていた おかしな人がスターになって

地上の端の楽園を再び探した時に

きっとすぐ気づいてしまう 逃れられない大気圏外

「通せんぼ」は子供なんかがふざけてやることです。そんなしょうもないことをしているうちに、、

「銀河の歌歌っていたおかしな人」とは、これはあくまで個人的な解釈にはなってしまいますが、銀杏BOYZの峯田和伸さんのことではないかと思います。Mega Shinnosukeさんは銀杏BOYZに影響を受けていて、「一生このまま」などかなりインスパイアを受けているであろう楽曲も多く、実際に銀杏BOYZには「銀河鉄道の夜」という曲が存在します。すごい人は広い世界で活躍しているよということですね。

地上の端の楽園、つまりまだ見ていない広い世界をもう一度探したが、そんなに簡単にはすぐには届かない世界であることに気づきます。

とにかくこの世界を抜けだそうよ 毎時間 白夜な音 気づけたらいいよ

「白夜」とは夜になっても太陽が沈まない現象です。つまり、白夜な音に気づくとは、夜になってから毎時間、音を探しているということでしょうか。

生きているなら当然のありふれた現実逃避

僕の中の宇宙は 音を立てて小さくなって

望んでたものを忘れて 慌てふためいてた少年よ

この世はこんな広いのだ なんて言えやしないよ 僕はまだ

ここで、視点がガラッと変わります。「僕」が「この世はこんな広い」と言っていることから、「僕」はもう狭い宇宙を抜け出しており、まだ抜け出せていない過去の自分=「君」に対して言っている言葉だってことがわかります。

この曲には、少年が成長し大人になるという意味のほかに、Mega Shinnosukeさん自身がアーティストとして成長するという意味も含まれているのかなと、

幾つもの楽曲を制作してきたが、まだ成長途中だという意味が最後の文には含まれていると考えられます。

だとすれば、「毎時間 白夜な音 気づけたらいいよ」は、良い楽曲が作れたらいいよという意味でしょうし、「僕の中の宇宙は 音を立てて小さくなって」は、音楽を制作してそれを奏でるにつれて、成長し、今までいた狭い宇宙は無くなっていくと解釈できます。

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サビの魅力

「狭い宇宙、広いこの星」にはサビに歌詞がありません。コーラスフレーズのみです。

K-POP楽曲やEDMにはよくありますが、J-POPやいわゆる邦ロックでは少し珍しいかもしれません。有名なのだと、 SEKAI NO OWARIの「Dragon Night」などもそうです。

しかし、この曲の場合、この歌詞のないフレーズが曲の一番最初にも登場するため、サビと捉えること自体どうなんだ?って感じですね、、

でも、この楽曲を一番最初に聞いた時に最も印象的で耳に残るのはこのコーラスフレーズではないでしょうか。

サビがない、あるいはサビに歌詞がない、ということは、すなわちさまざまな解釈ができるということですが、この楽曲の場合では、歌詞の流れや文脈的に考えても、早く広い世界を見てみたいけども、まだその景色を観れるには至っていないもどかしさのようなものを感じます。

解釈は人それぞれだと思いますので、あくまで個人的な意見ですが、皆さんもこの印象的なフレーズに込められた意味を考えながら聴いてみてはどうでしょうか?

まとめ

以上、Mega Shinnosuke「狭い宇宙、広いこの星」の魅力を紹介してきました。

広い世界を知った主人公が過去の自分を俯瞰してみているという視点は面白いですね。コーラスのみで歌詞のないサビのフレーズについても、いろいろ考察しながら聴いていただきたいと思います!

Mega Shinnosuke「狭い宇宙、広いこの星」 作詞作曲:Mega Shinnosuke

この記事では、楽曲の魅力を、その楽曲の背景やテーマ、音楽的観点など多方面から解釈し、伝えていきますのでまたぜひチェックお願いします!

オリゴトウ

音楽大好き大学生です。
様々なジャンルの音楽の魅力を専門的、感覚的両方で発信しています。
そのほか音楽の最新情報や、楽曲制作についても書きます!

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